「愛国心」について
教育基本法の与党改正案が出された。自分は現職の国会議員であった頃、次のようなことを主張した。愛国心を入れるべしとの議論があるが、「愛国心」といった場合受け止め方は人それぞれであり、狭隘なナショナリズムととらえる人もいる。それよりも、「郷土を愛し、自国(日本)の伝統・文化を尊重する心を養う」といった表現にすべきではないかと。
戦後60年経ったが、日本国民の間に本当に健全な愛国心というものが育っているとはいいがたい。にもかかわらず、「愛国心」というものをいきなり入れると教育の現場でかえって混乱するのではないだろうか。「愛国心」ないし「国を愛する」とはどういうことか説明せよと現場の教育者にたずねてみてもどのような回答がかえってくるか推してしるべし。
それよりも、むしろ「郷土や伝統・文化を愛する」とした方が自然である。郷土や伝統・文化を心から愛してはじめて万国共通の健全な「愛国心」というものが生まれるのではないかと考える。同じようなことを「国家の品格」の著者の藤原正彦先生も主張しておられる(「愛国心」よりも「祖国愛」とすべしと)。
こうした自分の考え方に対して、「世界の中でこれだけ愛国心に欠けている国民は日本人だけである。だから国旗・国歌に関する法律を制定したように、愛国心を上から押しつけないとだめだ。」と反論された方もいた。それはそれで一理あるが、精神面にかかわるものは時間をかけてじわじわと吸収しないと身に付かないと思うが、みなさんはどう考えるか。
いずれにせよ、世界190か国の善良なる国民と全く同じように、日本人が自国に対する誇りを持ち、アメリカや中国といった超大国に卑屈にならず精神的にも依存せず、武士道精神という日本特有の精神を涵養するような教育を是非ともしてもらいたい。
4月15日(土)