◎ 政 治 ◎ わが同胞の尖閣上陸に想ふ
尖閣諸島魚釣島に昨日午前、日本人10人が上陸をした。
軽犯罪法に触れるこの行為、もろ手を挙げて褒めたたえることはできない。しかし、彼らの行動は真に国を愛する強い赤誠の気持ちの発露であることは間違いない。外国人が不法上陸する中で、日本人が上陸を許されないという不条理に対する抗議行動であるとすれば、このたびの勇み足も十分理解できる。なにしろ、そもそも論として、今回、慰霊祭斎行のために上陸を許可しなかった政府の姿勢からしておかしい。
現政権は、尖閣諸島には政府関係者と地権者しか上陸はできない、という自民党政権以来の政府の公式の対処方針を崩さないが、外国の上陸犯(彼らは軽犯罪法でなく、入管法違反である)に強制送還で対処するという方針同様、悪しき前例踏襲主義であり、単なる事なかれ主義である。
わが国を取り巻く国際環境は、すでに「前例」の時代から大きく変貌している。竹島には韓国大統領が、北方領土にはロシア首相が二度にわたり不法上陸をしているのだ。そして尖閣諸島に同じく不法上陸した活動家が英雄視され、「また来る」と言ってはばからない時代なのだ。
ここは弱腰の民主党政権といえど一歩踏み込み、より毅然とした対応を内外に示すべきだ。政府関係者しか上陸できないという政府見解に縛られているのであれば、まず、政府関係者が上陸し調査を行い、のち施設を建設したうえで職員を常駐させ、周辺監視にあたるべきである。また、世界190カ国に対して徹底的にこの尖閣や竹島、北方領土の問題をアピールし、日本のODA供与の対象となる開発途上国に対してはその額の多寡については、日本の立場を支持するかそれとも中国・台湾、韓国・北朝鮮、ロシアを支持するかで査定すればよい。これが世界の常識というものだ(なお、いうまでもなくわが国のODAは外務省職員の給与から天引きされているのではなく、国民の血税でまかなわれている)。
前回ブログに引き続き繰り返し述べるが、自民党もこれまでの姿勢について猛省をし、総括をすべきである。そして、政府が必要な法整備に取り組むというのであれば、むしろ積極的に協力すべきである。外交とは、国益増進のためなら党派の恩讐を超えて一致、一貫して取り組まれるべきものである。数少ない外交官出身国会議員として、これだけは強調しておきたい。
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