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◇ コラム ◇ 山中伸弥教授のノーベル賞受賞に思ふ

2012.10.09 コラム

 京都大学の山中伸弥教授のノーベル医学生理学賞受賞が決まった。まさに快挙であり、心から敬意と祝意を表したい。
 受賞理由となったiPS細胞は、さまざまな細胞になりうる「万能細胞」であり、難病治療や新薬開発、それに再生医療への応用が期待される。21世紀の医療の地平を切り開き、わが国医療関係産業を活性化し、そして人類全体に裨益する、きわめて大きな可能性に満ちた意義深い業績であり、同じ日本人として大変誇りに思う。
 日本人のノーベル賞受賞はこれで19人目となる(「国別」では18人)。昨年までの国別統計(出典:文部科学統計要覧)によれば、昨年までで日本より受賞者が多いのは、アメリカ(321人)、イギリス(107)、ドイツ(81)、フランス(55)、スウェーデン(31)、スイス(27)、旧ソ連・ロシア(20)である。現実はアングロ・サクソン、ゲルマン及びユダヤ系が圧倒的なのである。わが日本(=大和)民族も私の第二の故郷ドイツをいつか超えてほしいものだ。
 他方、わが隣国の状況はどうか。中国、韓国はそれぞれ平和賞受賞者が一人ずつだそうである。中国に至っては民主活動家でいまだ投獄中の劉暁波氏のみである。中国の一部(と中国当局は主張する)出身の方という点だけでいえば、ダライ・ラマ法王も平和賞受賞者であるが、中国当局にとっての「反体制派」 が二人も「平和賞」を受賞しているというのは非常に皮肉なことである。
 なお、日本人の受賞者は2000年以降に絞れば山中教授を加えて11人を数え、アメリカに次いで2番目の多さである。しかし、これ以前、日本が後進国であったというわけではむろんない。
 たとえば医学生理学賞。北里柴三郎や野口英世はなぜ受賞できなかったのか。
 それに文学賞。今年は村上春樹氏が受賞か、とも言われているが、これまでの受賞者は川端康成と大江健三郎(!)のただ二人のみである。両文学者に比肩する、あるいは彼らを超えるかつての文豪、すなわち志賀直哉、谷崎潤一郎、そして三島由紀夫などはなぜ受賞できなかったのか。
 外国人には理解しがたい日本語で書かれた、というハンディもあったのかもしれないが、ともすれば欧米人特有のある種の偏見、無理解があったのではないか。この点について、ドナルド・キーン先生に訊いてみたいものだ。
 さらに言えば、たとえばわが地元浜松出身の偉人であり、世界で初めてブラウン管を使っての電送・受像に成功した「テレビの父」高柳健次郎先生は、なぜノーベル賞受賞に値しなかったのか。
 以上のように、ノーベル賞が業績の素晴らしさを常に適切に反映しているというわけではない。しかし、ノーベル賞を目標として研究に身を捧げる研究者が多いことも事実である。よって、国としては、より一層の科学技術振興に力を注ぎ、彼らの研究開発の環境を整えることはもちろんだが、受賞者に対して勲章だけでなく、5億円くらいの賞金を出しても良いだろう。なにしろ、山中教授の研究内容が実用化されれば、賞金の額などたちまち償却されてしまうほどの経済効果も持つのである。このような環境を整えることで、国威発揚に加えて産業振興まで実現できるなら一石二鳥というものだ。いや、軍事力増強と他人の権利を侵害するコピー製品製造にしか関心のない某隣国に対して、その誤りを教え、進むべきまっとうな道を示せるということも含めれば、「一石三鳥」ではないだろうか。