◇ コ ラ ム ◇ 米GEの1950年代のフォノアンプとカートリッジ
アメリカの1950年代の音響関係の機器はすごい。とても当時の日本の会社がまねできない大胆な発想で感動の連続である。
小生、SP盤とビンテージオーディオにはまって久しいが、最近は米GEのデットストック品をこつこつ入手している。
ちなみに、デットストックとは、まさに文字通り、「死んだ在庫品」であり、未使用のまま倉庫の奥に何十年も眠っており、世に出たものである。
入手困難なデットストック品については、いろいろとあるが、今日はGE関連の商品を紹介する。
下の写真のオレンジ色の箱はGE社のオリジナル真空管ボックスで、主に昔の電器店が使っていたものである。未使用のGEの真空管も当時の箱入りで入っている。
その上に乗っかっている箱は1950年代のフォノアンプ(UPXー003AにB。実際私がオーディオで使用しているのは後期型のUPXー003C。)である。その左右の箱の上にさらに乗っているのが1930年代と50年代のカートリッジ(RPX010、RPX046)である。
ちなみにフォノアンプとは、レコードのカートリッジ(レコード針)とプリアンプの間につなぐものである。なぜかこれがないと良い音がでない。いわば料理でいえば、塩や胡椒のようなものだ。ないととにかくものたりなく、音が味気ない。
私の自宅では、カートリッジがレコードの溝ををトレースして、フォノアンプ(GE UPX-003C)→プリアンプ(McIntosh C104)→パワーアンプ(McIntosh 50W-2)→スピーカーへと信号を入力し、出力する。モノラルなので2台のスピーカーにワンセットついているから、アンプ類は全部で3台×2セットの6台。パワーアンプの50W-2は電源部が独立しているから、なんと6台+2台で総計8台ものかたまりに乗っている真空管、コンデンサー等から高熱を発して、夏には部屋はすごいことになっている(冬は暖房がわりで快適だが)。
そして、これが重要なのだが、パワーアンプとスピーカーをつなぐスピーカーケーブルは最近の高価なハイエンド機器用のものを決して使ってはいけないということである。1メートル何万円もするものが出ているが、やはりスピーカーケーブルにはGEの40-60年代の銅線を錫でコーティングしたものがが一番良い(当時の電話線かなにかに使っていたごくありふれたもの)。太さにもよるが、デットストック品やリメイクのものでも1メートルせいぜい800円くらいだ。
それにしても、フォノアンプにカートリッジ、真空管をかえただけで、音が変わる。本当に不思議なものだ。
全体像です
50年代初頭のカートリッジRPX-046
戦前のカートリッジ RPX-010。箱と説明書そのまま残っているなんて、すごい!!こわくてとても使えません。
フォノアンプ UPX-003Aのデットストック品の写真です。GEのフォノアンプだと、この他にUPX-003Bのデットストック2台及び中古品2台、UPX-003Cの中古品3台、A1-203の中古品2台等あり。
最初期型のフォノアンプ UPX-003 これは珍しい!!