◎ 政 治 ◎ 中国による不当な防空識別圏の設定
23日、中国政府は「東シナ海防空識別圏」なるものを一方的に設定した。このような措置は断じて受け入れることはできない。
外交部会長として本日8時の安全保障調査会・外交部会・国防部会合同部会において、自民党の決議案を議論させていただき、午後3時の高市早苗政調会長の記者会見で公に発表した。
昨日、私より自民党外交・国防部会合同役員会を緊急招集、自民党として政府よりも一層踏み込んだ党の決議を発信しようと呼びかけ、全員の賛同を得るとともに、みなさんからのご意見を踏まえて、昨日夜、私が夜なべしてより強いメッセージを作成した。
以下でご紹介申し上げる。
中国による防空識別圏の設定の即時撤回を求める決議(平成25年11月28日(木)、自由民主党政務調査会)
去る11月23日、中国政府は、「東シナ海防空識別区」を設定し、当該区域を飛行する航空機に対して中国国防部の定める規則を適用するとともに、これに従わない場合には中国軍による「防御的緊急措置」をとる旨発表した。
中国側のこうした措置は、東シナ海における現状を一方的に変更し、事態をエスカレートさせ、現場海空域において不測の事態を招きかねない極めて危険なものである。
今回の中国側の措置は、公海上空を飛行する民間航空機を含む全ての航空機に対して、一方的に軍の定めた手続に従うことを強制的に義務付けた。これに従わない場合、軍による対応措置を講じるとしたことは、国際法上の一般原則である公海上空における飛行の自由の原則を不当に侵害するものであると同時に、アジア太平洋地域ひいては国際社会全体の平和と安定に対する重大な挑戦である。
東シナ海は多数の民間航空機の飛行経路であり、民間航空の秩序及び安全への影響の観点からも大きな問題である。このような中国側の措置は、我が国に対して何ら効力を有するものではないことをここに言明する。
また、中国側が設定した空域は、我が国固有の領土である尖閣諸島の領空があたかも「中国の領空」であるかのごとき表示をしており、このような力を背景とした不当な膨張主義を民主主義・平和国家として我が国は断じて受け入れることはできない。
我が党は、公海上空における飛行の自由を妨げるような今回の一切の措置を、中国側が即時撤回することを強く要求する。
また、同盟国である米国をはじめ、自由・民主主義、基本的人権、法の支配といった共通の価値観を有する周辺諸国・地域を含む国際社会及び国連をはじめとする国際機関と緊密に連携しつつ、我が国の主権と国民の生命・財産を断固として守り抜くため、毅然たる態度で必要なあらゆる措置を講じることを政府に求める。