先日、ロシア・ウラジオストクで、安倍首相とプーチン大統領の会談が行われました。今回の会談では、従来の発想にとらわれない「新しいアプローチ」で領土問題を解決することが再確認されました。日本政府は、経済協力を解決の糸口とする方針です。

　他方で、経済協力だけが先行し、領土問題が未解決となった過去の教訓を忘れてはなりません。また、ウクライナ・シリア情勢を巡るＧ７の対露経済制裁との関係で、日露関係が突出することのないよう慎重な舵取りも必要です。

　今月４日から、主要２０か国の首脳らが世界経済について討議するＧ２０サミットが中国で開幕しています。日露２国間での首脳会談を踏まえ、多国間の枠組みにおける日本の立場について、各国に理解を求めていく必要があります。