◎ 政 治 ◎ チベット問題再び
チベット問題が一向に沈静化していないどころか、どんどん悪化している。罪もないチベット国民がどれだげ虐待、虐殺されたのであろうか。
人権擁護法案(=人権侵害糾弾「ナチスゲシュタポ」法案、日本人奴隷化法案)推進派の方々は「チベットの人権問題」についてどのようにお考えか。世界中の、それこそ「真の」人権擁護に情熱を傾けている良識ある方々が、官憲による圧力を恐れずに、北京五輪ボイコット運動を各地で展開している。中国と目と鼻のさきの島国日本では、福田総理以下、マスコミまでもが対岸の火事を決め込んでいるようなていたらくである。
邪悪な強い者にこびひつらい、正義の戦いに立ち上がっている弱き者たちが虐待され殺されても、見て見ぬふりをする。いつから日本人はこれほどまでに卑劣な民族となってしまったのか。
ところで、ある方に本居宣長の「玉くしげ」(通称「玉くしげー別巻」)をおかりした。古文であるが、大変読みやすく一気呵成に読んだ。政治を志す者として必読の書であると思った。
以下のところなど、なにか現代の日本の病理そのままを語っているような内容である。
「本朝(=日本)には、明白に正しき伝説の有りながら、世の人これを知ることあたはず、ただ かの異国の妄説をのみ信じ、其説に泥(な)じみ溺れて、かへつてよしなき西戎(=隣の某大国)の国を尊み仰ぐは、いよいよあさましき事ならずや、たとひまさりたりとも、よしなき他国の説を用ひんよりは、己が本国の伝説にしたがひ、よらんこそ、順道なるべきに、(中略)、惣じて異国風のこざかしき料簡、よくおもへば、かへつて愚かなることぞ、(以下略)」
「惣じて物の尊卑美悪は、その形の大小によるものにあらざれば、国も、いかほど広くても、卑しく悪しき国あり、狭くても尊く美(うるは)しき国あり」
面積は広いが、「卑しく悪しき国」とはどこの国のことをさすかは、みなさんのご想像におまかせするが、「狭いが尊くうるわしい国」が今の日本であるととても胸はって言えないことだけは確かである。
ついでに「かの異国の妄説」とか「異国風のこざかしき料簡」というと、「グローバリゼーション」、「ファンド」、「マニフェスト」、「コーゾーカイカク」などという怪しい横文字を想像してしまうのは私だけであろうか。