◇ コ ラ ム ◇ 朝比奈隆と「京都帝国大学学歌」
「日本が生んだ偉大な指揮者は誰か」という質問に対して、素人筋は「小沢征爾」と答え、玄人筋は断然「朝比奈隆」と答えるそうだ。これは関西在住の私のSPレコードの師匠が放った言葉だ。評価は人それぞれとして、「ブルックナーの巨匠」として有名な朝比奈隆氏(元大阪フィル常任指揮者、文化勲章受章者)は日本が誇る偉大な指揮者であったことだけは間違いない。
その偉大なる日本人指揮者朝比奈隆が最初に吹き込んだレコードを最近たまたま入手した(朝比奈隆氏の戦前のSP盤はこの他にニッチク盤の「ジャワの唄声」(昭和18年)の二枚しか確認されていない。)
タイトルは以下のとおり。
「京都帝国大学学歌」(水梨弥久作詩、下総皖一作曲、朝比奈隆指揮、管弦楽団京大オーケストラ、水野康孝歌(A面)、京大合唱団(B面))(テイチク特277、昭和15年吹き込み)
朝比奈隆氏 (1908?2001) は、京都帝国大学法学部を卒業し、阪神急行電鉄(現:阪急)勤務後、再度京大文学部に学士入学し、ロシア人のメッテル氏に指揮法を学んだ。その後大阪音楽学校教授となり、上海交響楽団や満州の新京音楽団(新京交響楽団)・ハルビン交響楽団で指揮活動を行い、終戦を迎える。
戦後満州から引き揚げ、現在の大阪フィルの母体となる関西交響楽団を結成。亡くなるまで約半世紀近く大阪フィルの指揮者をつとめた。
朝比奈隆氏の最初のレコードの音源「京都帝国大学学歌」は京都大学のHPで聴くことができる。「京都大学学歌」
私が外務省時代に大変お世話になった村田良平元外務事務次官(応援メッセージ参照)は京都大学御出身なので早速テイチク盤の「京都大学学歌」についてお知らせしたいと思う。
おすすめブログ:「山崎行太郎の『毒蛇山荘日記』」、「神州の泉」