4月の有効求人倍率の発表
2017.06.02
政治
厚生労働省は,平成29年4月の有効求人倍率が1.48倍(季節調整値)で,前月より0.03ポイント上昇したと発表しました。この数値は,簡単に言えば2人の求職者を3つの企業が取り合っているという状況を意味しており,バブル期の最高であった平成2年7月の1.46倍を上回るものです。内閣府の発表によると,平成29年1月~3月期の実質GDP成長率が年率プラス2.2%であり,アベノミクスによる好調な景気が有効求人倍率を押し上げる結果につながったと考えられます。
しかし,有効求人倍率が上昇していることは,企業にとって人手不足が深刻化していることの表れでもあります。先日も,大手運送会社がドライバー不足を理由にサービスを縮小する旨報道されたことは記憶に新しいところです。加えて,少子高齢化により生産年齢人口(15~64歳)が減少の一途をたどっており,今後も人手不足の傾向が続くと予想されます。
国は,人手不足に対する施策として,情報通信技術(ICT)の活用による生産性の向上を掲げています。具体的には,建築現場において小型ドローンを使用して効率的に測量を行うことや,介護の現場で独自のネットワーク・システムを構築して要介護者の情報を一元化することがその例です。
このような国の施策を今後も推進するとともに,少子高齢化という我が国の構造的問題に対して正面から取り組みを続けなければならないと考えております。