米中関税戦争
2019.05.11
政治
米国による対中関税25%への引き上げが発動し、中国も報復関税で応じることとしております。世界GDP上位2か国の米中関税戦争が世界中に影響を与えることは間違いありません。
「トランプ大統領の保護主義政策」、「世界経済の成長を阻害する」といった批判もありますが、今回米国が関税を引き上げたのは、中国が合意を後退させたためです。
米中は、知的財産保護や市場開放の協定書に着手し、米国が中国に撤廃を求める産業補助金についてもWTO(世界貿易機関)ルールを順守することで進んでいましたが、中国は覆しました。
視点を変えれば、米国が中国に求めている知的財産侵害や技術移転の強要、サイバー攻撃、産業補助金の是正は、中国にとって絶対に譲れないということが分かります。その背景にあるのが、専制的な覇権を目指す中国の国家戦略「中国製造2025」です。
中国の覇権を許さない米国と、「中国製造2025」の実現を目指す中国、どちらも譲らず、長引くことが予想されます。