日本人の心を取り戻そう
日本が先の大戦に負けてから六十年近くたつが、その間どうも日本人が日本人でなくなってきているような気がしてならない。「人の心はカネで買える」、「女はカネでついてくる」ということを平然と言い放った現在拘留中のあのあぶらぎったブタさん(本当のりっぱな豚さんに対して失礼な表現であるのであえてカタカナでブタとしました)をあたかもこれからの日本の若きニューリーダーかのごとくもてはやし、政界入りさせようとしたこと、某会長の肝いりで経団連に加入させたことは、狂気のさたとしか思えない。このブタさんは日本とかアメリカとかビジネスができれば国なんかどうでもよいと言っていた。もうかればなんでもありの悪しきあきんど根性は、中国にこびへつらっている財界トップと同じくらい卑しくて恥知らずである。
常日頃ブタさんは皇室なんかいらないとか、日本なんかいらないとか言っていたからか、このブタさんをグローバルな視点で発言する若手の改革の旗手であるかのように賞賛していたIT業界の連中もいた。この人たちは本物と偽物を見分ける区別もつかないくらい感覚がおかしくなっていた。
ちょうど一年前にIT業界の人たちが大勢いる中で例のブタさんのやり方は汚いし虚業だ、いずれ罰があたるというようなことを私が言ったら大ブーイングであった。みんなこのブタさんにあこがれていたのだ。ところが、彼らは今となってあれだけブタさんがぼろもうけできたのは、国家権力のうしろだてがあってはじめてできたということを知るようになった。
このブタさんの対局にあるのがまさに日本古来の武士道精神である。これは欧州の騎士道精神とも多少通じるものであるが、カネもうけさえできれば何でもありの拝金主義を軽蔑し、信頼関係や忠義、正義を重んじる精神である。そもそも金儲け第一主義の悪しきあきんど根性丸出しの財界人が政治に必要以上に口を出し、そこから甘い汁を吸っている議員が仲良く癒着しているから政治がおかしくなっているのである。金儲けのために平気で国を売り、庶民を食い物にして平然としている、自分さえよければ国家国民などはどうでもよいと考えている連中はいずれ天罰が下るであろう。戦前戦中以来あいも変わらず、ある時はアメリカ占領軍、あるときは野党第一党、そして今の与党と、発行部数第一主義でその時々の権力にすり寄り、真の批判精神を放棄したマスコミも同罪である。
今こそ日本人の心を取り戻すときが来た。近い将来、名も無き全国の庶民が党派や思想信条を越えて大同団結して、この異常な世の中の風潮を一新するような気がしてならない。
4月3日(月)