日本と台湾のさらなる友情深化に向けて
昨日、私が代表世話人をつとめる保守団結の会で、台湾の謝長廷台北駐日經濟文化代表處大使(駐日大使)をお招きして台湾をめぐる国際情勢と日台関係についてお話をいただくとともに、台湾産パイナップルの購入PRをおこないました。
また、保守団結の会で「日台友情の更なる深化に向けた決議」をおこなっています。
全文はこちらです。
○「日台友情の更なる深化に向けた決議」
我が国と台湾は、同じ海洋国家として「運命共同体」であると言われている。
隣国中共は、今まさに、軍事力を背景とした現状変更を試みる一方的な行動を取り続け、アジア太平洋地域の安定に深刻な懸念をもたらしている。
防衛省防衛研究所所属の研究員によると、中共の急激かつ不透明な軍拡で中台間の軍事バランスが崩れた結果、中共優位となり、現時点での台湾本島への侵攻は考えられないものの、台湾が実効支配するプラタス(東沙)諸島への侵攻の可能性は指摘されている。同島は、台湾海峡とバシー海峡を制御しやすい地政学上の戦略的要衝であり、南シナ海北部地域から同海域全体に睨みをきかせられる位置である。この要衝を中共に占拠されるような事態は未然に防がねばならず、その意味でも、日台関係の更なる協力と交流の深化は、益々重要な意義を有するものである。
我が国政府は、台湾との関係について、基本的な価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、非政府間の実務関係として維持していくとの立場を表明している。
昨年、日台関係の発展に長年尽力された李登輝元総統が逝去された折には、哀悼の誠を捧げるべく台北駐日経済文化代表処へ弔問に駆け付けた関係者も多く、我が国を代表する事実上の特使として、森元総理らの弔問団が台湾に派遣された。
また、本年三月十一日、東日本大震災から十年の節目を迎えたが、日本台湾交流協会は、台湾からの支援に改めて感謝の気持ちを伝え、日台の友情を再確認するための一連の行事を実施している。
そのような中、我々は、日台間の更なる友情の深化に向けて、以下提言する。
一、昨夏逝去された李登輝元総統の長年の功績を顕彰し、その志を継ぐためにも、李元総統の生誕日である一月十五日を「日台友情の日」として位置づけ、関係者の協力を得て、各種行事を開催すること。
二、日台関係の基盤強化策として、我が国の窓口機関である公益財団法人日本台湾交流協会の予算や組織体制の更なる充実を図り、法的位置づけとなる「日台交流基本法」を制定すること。
三、自由民主党は台湾の民主進歩党と定期協議の場を持ち、外交と国防関係をはじめ、経済、観光、教育文化スポーツ科学技術等の担当部署との対話を重ねること。
四、経済分野において、今般の台湾産パイナップルの輸入のように、我が国で歓迎される品目は多くある。日台貿易の倍増を目指し、自民党地方機関や地方公共団体、地域経済団体と連携して、日本台湾交流協会が推進する貿易セミナーの実施等、支援を強化すること。また、再生可能エネルギー分野等、重要な新興技術等についても、日台で共同研究開発を行うこと。
五、人的往来の倍増を目指すべく、東京オリパラ大会への参加を歓迎しつつ、交流協会を窓口としたコロナ禍後の観光、ワーキングホリデーや留学、教育旅行、国際職業訓練等、自民党が地方と連携して支援を強化すること。
六、コロナ禍における台湾の世界保健機関(WHO)参加を支持するとともに、国際民間航空機関(ICAO)や国連気候変動条約(UNFCCC)、国際刑事警察機構(INTERPOLE)等の国際機関、地域的な包括的経済連携(RCEP)や環太平洋パートナーシップ(TPP)協定等への参加に台湾が関心を示していることを歓迎し、協力すること。
七、東京電力福島第一原発事故に関係した台湾の日本産食品に対する輸入規制措置について、台湾での公民投票(二〇一八年十一月)による二年間の政策変更禁止期間が経過する中、米国同様に、我が国内での出荷制限措置が取られた地域や品目を規制する内容に変更するべく、台湾側への働きかけを強めること。
右、決議し、関係部署に対してその実現を強く求めるものである。
令和三年 三月 二十四日 保守団結の会 同志一同