◇ コ ラ ム ◇ いのしし
2008.12.18
コラム
先週末山でお茶を作っている支援者のお宅を訪問したら、庭でいのししの子供が二匹おりに入っていた。おびえてじっとして動かない。聞くところによると母親いのししがわなにかかっておりにいたところ、子供たちが決死の覚悟で母親のいるおりに入ってきたとのこと。動物の子供にもお母さんを守ろうとする覚悟や、子供を助けようとする母性愛があるのだ。では、今の日本人はどうであろうか。行きすぎた自由主義、個人主義のおかげで親が子を殺し、子が親を殺す。動物以下の存在なのか。
人間が杉、ひのきといった針葉樹林ばかり植えたおかげで、いのししやしかなどの動物たちはえさを求めて人間が住んでいる集落までおりてくる。つかまる危険もかえりみずに畑をあらす。子供を育てるため、生きのびていくためにはしかたがないのだ。山には自給自足同然の生活をしている高齢者の方々もおられる。畑を荒らされてはたまったものではない。どうしてこんな不幸なことになるのだろうか。
思うに、森の一部、特に中腹から山頂の急峻な部分を広葉樹林に戻し、林業はできるだけ集落に近いなだらかなところで行うべきである。広葉樹林に戻せば、動物たちはどんぐりなどの実を食べるので、えさを求めてふもとまでおりてこなくてすむ。人間と動物の棲み分けだ。これが私のいう、共存共栄の世界である。
あのいのししの子供たちはその後どうなったのであろうか。
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