ALPS処理水 海洋放出
昨日、東京電力がALPS処理水の海洋放出を開始しました。
ALPS処理水の処分は、東京電力福島第1原子力発電所の廃炉を進め、福島の復興を実現するために必要不可欠なことであり、海洋放出が安全性を確保された上で開始されたことは極めて大きな一歩です。
「ALPS処理水」とは、東京電力福島第一原子力発電所で発生している放射性物質を含む汚染水を、ALPS等の浄化装置によってトリチウム以外の放射性物質を取り除く処理を行ったものです。
2次処理や希釈によって、トリチウムを含む放射性物質に関する規制基準を大幅に下回ることを確認し、安全性を確保することとしています。
本年7月には、IAEA(国際原子力機関)の報告書により、ALPS処理水の海洋放出に対する取り組みや関係する活動が国際安全基準に合致していること、人及び環境に与える放射線の影響は無視できるほどであることが公表されました。
日本政府は漁業への風評被害を防ぐため、今後も監視データを定期的に公表して安全性を国内外に示します。
フランスや韓国など、海外の原子力施設からも、各国の規制基準を遵守して、トリチウムが排出されています。
中国政府は、あたかも汚染水を環境中に放出するかのようなプロパガンダを行い、日本の水産物輸入を全面停止することを発表しました。
根拠に基づかない感情的な批判であり、国際社会で中国政府に同調する動きはほとんどありません。
しかし、日本から中国・香港への水産物輸出額は、全体の約4割に上り、中国の輸入停止はわが国の水産業界へ大きな影響を与えます。
しっかり日本政府が水産業を支援し、またこの機に水産物輸出先を中国以外の国へ拡大していくことが極めて重要です。
日本国内では、SNSを中心に福島の水産物を応援する動きがあります。
福島沖は親潮と黒潮がぶつかり合う潮目の海で、そこで水揚げされた魚は「常磐もの」として高い評価を受けてきました。
こちらのウェブサイトでは、「常磐もの」を食べることができるお店、ネット販売などを紹介しています。
私も、外国政府関係者等と意見交換する中で、ALPS処理水の正しい情報と中国政府の対応が非科学的であることを伝えるとともに、福島の水産物の魅力を伝えてまいります。