衆議院議員 静岡県第7選挙区城内 実

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◎ 政 治 ◎ 世襲制の見直し

2009.06.10 ピックアップ

 自民党と民主党の双方が国会議員の世襲制の見直しを選挙を間近に控えて主張するようになってから、私はこのブログで世襲問題をとりあげるのをばかばかしいのでやめることにした。

 

 私は何年も前から自民党の4割近くがなんらかの形で世襲または二世議員(あるいは三世、四世)であることはいくらなんでもおかしいので、見直すべきだと主張してきた。しかし、いまごろになって選挙の票目当てに世襲制の見直しを自民党と民主党がしだしたものだからしらけていたのだ。

 

 つい最近まで自民党内で二世候補を無所属で出馬させ当選したら追加公認するなどという案が検討されていたそうだが、こんなものははっきりいって「かんぽの宿の売却問題」と一緒で全くの子供だましの「出来レース」である。そもそも同一選挙区で不透明な手続きで親の地盤を引き継いで出馬するなどということ自体がおかしいのである。ためしに世襲候補がどこか全く違う選挙区で出馬してみたらよい。たちまち泡沫候補ではないか。

 

 なぜ、二世、三世、四世、五世・・・・となるのか。それは、その候補者が親から代々地元の後援会という人脈とともにその地域の利権を引き継がなければならないというおかしな構造があるからである。同一政党であっても他の全く別の人間にとって代わられると利権構造が変わってしまう。それでは、困るのだろう。

 

 例えばある政党、仮にG民党としよう(別に民S党でも同じだが)、その政党の大泉(仮称)代議士の後援会幹部に仁志沫建設(仮称)の社長A氏がいたとする。そのA氏は何年にもわたり与党G民党の大泉(仮称)代議士のパーティー券を大量に買ったりダミーの政治団体を通じて多額の企業献金をし続けてきた。それが大泉(仮称)代議士の四世の息子ではない別の人間が候補者となって当選し、仁志沫建設(仮称)ではなく、友人の西魔津建設(仮称)という別の会社に公共事業の仕事(=国民の血税である予算)をまわしたら、これまでの永年にわたる献金がすべて水の泡となってしまうのである。

 

 利権誘導型のばらまき型政治の体質が変わらない限り世襲制はなくならないのだ。二世、世襲議員にもりっぱな方はたくさんいらっしゃる。しかし、ものには限度がある。各党二世、世襲議員10%くらいが妥当なラインなのではないか。

 

 官僚の天下りがどうのと批判したり、郵便局長の世襲制はおかしい(実は試験制度の導入によりとっくに廃止)と自分のことを棚にあげて声を大にしてテレビなどのメディアの前でわーわー言う芸能系の国会議員に限って世襲議員ばかりだったりする。良識ある市民のみなさんもその厚顔無恥ぶりにあぜんとしているであろう。

 

 みなさん、どう思われるか。

 

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