◎ 政 治 ◎ 鳩山総理大臣所信表明演説
26日(月)午後1時から天皇陛下出席の下での開会式があり、その後2時より鳩山由紀夫総理大臣の衆議院における所信表明演説があった。
約50分にわたる演説を聞いた私の感想を述べたい。
郵政民営化の見直しの箇所はよしとして拍手した。また、社会的弱者や地方に目を向けたところなどは、小泉竹中型構造カイカク路線の弱者切りすて政策の見直しとして評価できる。
しかし、「東アジア共同体構想」や「東西のかけ橋」をはじめとする一連の鳩山総理の発言などを聞くと、残念ながら日本の国益を守ろうという気概が感じられないのである。率直に言って、友愛精神(fraternity)を基調とする世界連邦政府日本支部長の演説あるいは純粋まっすぐな青年の主張のように聞こえてならなかった。
鳩山総理の下で民主党が推進する行き過ぎた脱官僚・政治主導路線は、本来あるべき政治(=国民)主導ではなく、結果として(特定の)党主導路線に走りがちである。そのへんのところは、ファシズムやソ連共産党、中国共産党、北朝鮮労働党のようなたったひとにぎりの党エリートがすべてを牛耳るような全体主義路線の教訓を思い起こせば明らかである。立法府と行政府(=官僚組織)との適度な権限配分あるいは緊張関係こそ、日本の国益擁護と国民・市民の幸福実現につながると確信している。
また、経済学的にも乗数効果が高く、わが国の景気浮揚にとって有効な社会資本整備(=内需拡大)を、悪しき公共事業と決めつけ、これまで民主的なルールにのっとって決定された事項を革命的な手法で白紙に戻すようなやり方は、小泉竹中路線と軌を一にする。
結局、小泉竹中構造カイカク路線は、総理の靖国参拝を通じた似非右翼ポピュリズム、民主党の脱官僚政治主導路線は革命的な左翼ポピュリズムという側面がぬぐえない。
鳩山(小沢)民主党政権がお隣の韓国のノムヒョン政権のような結果にならないことを祈るばかりである。
(追伸:昨日来よりいただいているみなさまからのコメントを読ませていただき勇気づけられました。その結果「ブログの更新一時休止」を撤回いたします。)
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