衆議院議員 静岡県第7選挙区城内 実

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◇コラム◇ 「森の水車」

2007.06.26 コラム

 最近入手したSPレコードを紹介する。昭和26年8月に日本コロムビアから新譜で発売された「森の水車」である。「ことことこっとん・・・」の歌詞を覚えておられる方も多いのではないかと思う。
 作詩者は私の地元の浜松市が生んだ偉大なる作詞家清水みのる先生である。今でも毎年浜松市の生誕地伊佐見地区で清水みのる先生にちなんで「森の水車コンサート」が開かれている。
 このレコードの歌手は並木路子さん。並木路子さんといえば、戦後日本コロムビアの第一号のの「リンゴの唄」(サトウ・ハチロー作詩、万城目正作曲)で一世を風靡した歌手である。また、「森の水車」の作曲者は「山小舎の灯」などで有名な米山正夫先生である。
 並木路子さんの「森の水車」は軽快なジャズの調べにのっていてハイカラな感じがする。いかにも戦後のアメリカの影響を受けたような編曲である。
 ところが、実は「森の水車」の最初のレコードはなんと戦時中の昭和17年9月に発売されたのであった。当時まだ十代で子役をされていた高峰秀子さんの歌でポリドールから発売された。このポリドールのレコードはコレクターの中では珍盤中の珍盤で当時の現物を所有している人は日本中で数名しかいないと言われている。蒐集家の垂涎の的である。
 戦時中は軍事歌謡のようなかたい曲が多いが、それでもこの「森の水車」のように欧米調の明るい曲がレコードとなって庶民の間で歌われたことは意外でもあり、なかなか興味深い。