◎ 政 治 ◎ 今、消費増税?
今年度の第三次補正予算が昨日成立した。「TPP交渉参加に向けた関係国との協議」に入り、復興予算も無事に成立させた野田総理、次は今年度内の消費増税法案提出を目指すとのことである。
私は消費増税自体に反対なわけではない。しかし、今上げることには断固反対である。なにしろ時期があまりにも悪すぎるではないか。
そもそも、デフレで景気が悪いときに増税などすれば、より経済が落ち込み消費が冷え込むことは歴史的に見ても明らかである。大恐慌下のアメリカが良い例だ。アメリカは、税収増を見込んで1932年に消費税を導入したが、その結果、株価が大暴落、国民所得も激減した。直近で言えば、ギリシャである。消費税を引き上げて法人税を引き下げた(わが国と同じではないか)結果、今般の欧州経済危機の発端となったのである。(以上については、質問主意書を提出している。今週中に答弁書が返ってくる予定である。)
これらは、まさにアクセルを踏むべきときにブレーキを踏んでしまった悪い例である。消費増税をして消費が伸びるわけがないのだ。
今は思い切りアクセルを踏むべきときである。
日本は世界最大の債権国であり、世界一の金融資産を持つ。13年にわたるデフレに東日本大震災の災禍に見舞われた今だからこそ、国はけちることなく社会資本整備に投資するなど思い切った景気拡大策を講じ、国家経済を成長路線に向けて舵を切るべきである。景気が上向いたら中長期的観点から消費増税をすることも検討に値するが、少なくとも、今はそのときではないと確信している。
いずれにせよ、今後、消費増税の是非は間違いなく政局になる。しかし民主党内には増税反対論者が多数いる。TPP交渉参加であれだけ党内が紛糾したのに、野田総理に消費増税を推し進める力が残っているのかどうか。しかも、消費増税法案成立まで解散総選挙にも応じないらしい。ねじれ国会の中、こんな姿勢で野党が審議に応じるのか。力もないのにいたずらに力わざをしかけて、これ以上国政を混乱に陥れることだけはやめてほしいものである。
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