衆議院議員 静岡県第7選挙区城内 実

活動報告及びお知らせ
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◎ 政 治 ◎ 人権侵害救済機関についての質問

2012.02.23 お知らせ

 昨日、今国会初めて開会した法務委員会で45分間質問に立った。
 今回は、法務大臣の所信聴取前に委員会がセットされるといういわば異例の委員会であった。先般の内閣改造で就任した民主党政権樹立後六人目の小川敏夫法務大臣に対して、人権侵害救済機関について反対ないし慎重の立場で、小川大臣の認識を問うた。
 
一、パリ原則の勧告の意図するところは公権力による人権侵害の救済であり、私人間の個別の争いまで容喙する巨大な組織を作る必要はない
二、政府から独立した機関の設置は、ナチスドイツのような反体制活動家を強制収容所送りするような北朝や、内乱と殺戮が繰り広げられているアフリカの破たん国家(failed states)、中国のようなチベットやウィグル族のジェノサイド(=民族抹殺、民族大量殺戮)をまさに推進せんとするような劣悪な人権環境の国々に対して必要なのである。したがって、日本のようなある程度人権が守られている、法治国家には、強大な権限を付与できる国家行政組織法上の三条委員会である人権委員会は必要でない
三、現行制度で99%の人権侵害事案が処理できている以上、事業仕分けをして予算を削る中で、新たな定員、予算が必要な巨大な組織を新たに作る根拠はない
四、小川大臣自身を含む民主党の多くの議員が外国人の地方参政権推進の立場である以上、人権擁護委員に外国人がなる可能性が排除されない(その場合、わが国に対して敵対的な朝鮮総連の構成員も理論上人権擁護委員になれる)
五、昨年八月の政務三役の本件に係るいわゆる基本方針によれば、五年後に見直しがなされるとあるが、それにより一層改悪されるおそれがある
 
 大臣は、人権委員会は現行の法務省人権擁護局の「横滑り」でできるもので、肥大化した組織にもならないし、三条委員会であっても強大な権限は持たないと述べた。たしかに法案骨子等みるかぎりはそうであるが、しかし、同時に大臣は五年後の見直しにおいて、そのときの国会情勢によっては人権委員会に強力な権限を付与するよう法改正がなされる可能性についても示唆しているのである。明らかな欺瞞ではないか。
 しかも個人的な見解と前置きしながらも、人権擁護委員について「人権擁護の職務にふさわしい方であれば必ずしも日本人に限定される必要はない」と答弁しているのである。
 このような大臣のもとで、近く法案が提出されることが予想されているのである。今後も機会を捉えて警鐘を鳴らしていきたい。法案が提出されれば平成17年の自民党法務部会における人権擁護法案のときと同様、命がけで断固反対していく所存である。
 
 以上のように、本日は人権侵害救済機関について中心に質疑を行うべく周到に準備をしていたのだが、私の質問に先立つ民主党の階猛議員の質問に対する小川敏夫大臣の答弁を聞いていて耳を疑った。
 階議員は、小沢一郎民主党元代表が政治資金規正法違反に問われた陸山会事件に対する検察審査会による強制起訴について、検察官による供述書の虚偽記載が判明した等の最近の動向を踏まえて、明らかに小沢氏擁護の立場で、かつ小沢氏にかんする訴訟にかんして「起訴を取り下げろ」または「取り下げられるよう法改正をせよ」と暗に要望する質問を大臣にした。
 それに対して、小川法務大臣は、あろうことか「強制起訴を導入した検察審査会法が改正されたあと、強制起訴が何件か出ておりますが、そうした事例を踏まえて改正すべき点、検討すべき点があれば、当然検討すべきものと思っています。」と答弁したのである。
 「そうした事例」には現在進行中の小沢氏の事件も含まれるのである。四月末にも判決が出るといわれるこの微妙な時期に、検察を監督し、場合によっては指揮権を発動できる重い職責をもつ法務大臣がこのような発言をするのはいかがなものか。きわめて軽率な発言ではないか。私はこの点を小川大臣に冒頭質問したが、大臣は終始「あくまで一般論である」と逃げたが、議事内容を見ていただければわかるとおり、大臣の発言は特定の事案を示唆していると誤解されても仕方がないであろう。
 
 いずれにしても、政権交代以降六人目である小川大臣も適格性について大きな疑問がある方であることがよくわかった。今後の委員会ではさらに追及を強めてまいりたい。
 良識ある国民のみなさまのご意見をぜひともお聞きしたい。
 質問の模様は「衆議院TV」で視聴可能である。是非ご覧のうえコメントをいただければ幸いである。
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