◎ 政 治 ◎ チベット亡命政府首相との会合
昨日は、先週から来日しているチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相からチベットの窮状について多くをお聞きしたきわめて有意義な一日であった。
まず、安倍晋三先生をはじめとする自民党の保守系議員中心の朝食会でセンゲ首相と意見交換をさせていただいた。
私からは、「チベットの実情について日本国民はあまり良く知らない。自分もチベット問題について発信していくし、ロブサン・センゲ首相におかれてもあらゆる障害を乗り越えて発信していただきたい。」という意見を申し上げた。
また、午後には議員会館国際会議室における「ロブサン・センゲ首相からチベットの実情を聞く会」に、創生「日本」会長の安倍晋三先生、最高顧問の平沼赳夫先生、そしてジャーナリストの櫻井よしこ先生とともに出席した。
実は、これに先立ち少しでも多くの議員にセンゲ首相の講演を聞いてもらおうと、私を含め核となるメンバーで党派を超えて知り合いの国会議員に声かけをした。その結果なんと国会議員60人、秘書も合わせれば100人近い出席者が集まったのであった。マスコミも多く来場し、場内は盛況であった。
会議の終わりには「日本国国会議員有志によるチベット人弾圧に関する決議」を行った。もちろん全会一致である。中国がわが国領海をたびたび侵犯しているにもかかわらず政府の対中外交は弱腰、かつ政権与党の重鎮がこぞって「習近平詣で」をするなか、チベットで弾圧される多くの方々を思う「真の人権派政治家」が一致団結して決議を出したことはきわめて重要であり、喜ばしいことである。国会での決議をめざしていかなければならない。
私はこれまで法務委員会で「人権救済機関など作るよりも、チベットやウィグル、北朝鮮での人権弾圧をやめさせるよう国際的に働きかけることが日本の国益にかなう」とたびたび申し上げてきた。今後も、人権抑圧に領海侵犯、模造品の製造頒布、さらには不当な商標登録などあらゆる手段で国際秩序を揺るがし続ける中国に対しては、言うべきことをきっちり言ってまいりたい。
下に、決議案の文面を掲載する。ぜひ、皆さんにもお読みいただきご賛同お願いしたい。
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右から安倍晋三先生、ロブサン・センゲ首相、櫻井よしこ先生、平沼赳夫先生
センゲ首相の講演に稲田朋美議員(右)とともに真剣に聞き入った
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2012年4月4日
日本国国会議員有志によるチベット人弾圧に関する決議(案)
ロブサン・センゲ首相から
チベットの実情を聞く議員有志の会
真の友好的日中関係は、中国政府はもとより中国国民との間に築かれるべきものである。よって、すべての中国国民の人権と尊厳の尊重及び真の友好的日中関係の構築を目指し、本日、ここに参集した有志国会議員一同は、以下決議する。
1.2011年3月以来チベット人による抗議の焼身自殺が相次いでいる事態に深い憂慮の念を示すと共に、中国政府に対し、基本的自由の制限、仏僧院に対する懲罰的な治安措置、「愛国教育」の強制など、抗議の焼身自殺の原因となっているチベット人居住地域の人権問題を包括的に検証し、これを解決するために抜本的な政策の見直しを行うよう求める。
2.中国政府に対し、焼身自殺を図った後現場から連行された僧侶や一般のチベット人の身柄や遺体、その他拘束された僧侶の所在を含む安否情報及び拘束の根拠を開示することを求める。
3.2008年のチベット一斉蜂起以来、チベット人居住地域へのジャーナリストや外国人のアクセスが引き続き厳しく制限され、中国政府の政治・宗教・文化・経済政策に異議を唱えたとみなされたチベット人に過酷な処罰が科される強行策が継続している事態に抗議し、中国政府に対し、チベット人居住地域における自由な移動や自由な表現・報道を許可するよう求める。
4.中国政府に対し、チベット亡命政権との直接かつ真摯な対話を早急に再開するよう求める。
5.中国政府に対し、宗教と信仰の自由に関する国連特別報告者による国内訪問を早急に受け入れるとともに、人権弾圧を直ちに停止する強く求める。
長年にわたるチベット人の権利に対する制約こそが、抗議の焼身自殺の原因である。中国政府は、チベット人の抗議に対し真摯に耳を傾け、その政策を根本的に見直すべきである。チベット人の権利が尊重された真の「調和社会」中国こそが、日本が真摯な戦略的互恵関係を結ぶことのできる中国であると信じる。
以 上