関岡英之氏からマイケル・ムーア監督の最新作『シッコ』を見るようにとすすめられた。マイケル・ムーア監督といえば、『ボーリングフォー・コロンバイン』でアメリカの銃社会をえぐり、『華氏９１１』ではブッシュ大統領に突撃した。
　新たな標的はテロより怖い、アメリカの「医療問題」である。アメリカは世界一の超大国なのになんと保健充実度は世界第３７位と先進国では最低（日本はダントツの世界第一位）。人の命と健康もカネ次第の民間保険中心のアメリカの医療制度が良いのかそれとも国民皆保険制度の日本が良いのか良く考えてみる必要がある。ちなみに、アメリカの国民の一人あたりにかかる年間の医療コストは約６０万円、日本は約３０万円と半分である。
　なんでもかんでも「官から民へ」を進めていくとどうなるのか。日本政府が現在すすめている、アメリカをモデルとした混合診療制度の導入、民間医療保険の拡大などの医療制度改革は本当に大丈夫なのか。
　関岡英之氏いわく、「シッコ」は日本国民必見の映画で、これは日本に対するマイケル・ムーアの警告でもあるそうだ。私も映画館で見ることにした。医療制度改革については、是非これまでもとりあげた、『「改革」にダマされるな！』（PHP研究所）も読んでいただきたい。