体育の授業に日本武道を
以前ブログに小学生に英語教育を義務づけることを内容とする中教審の答申には賛成できないと書いた。英語を教える暇があったらその分国語をもっと教えなければならない。しかも、国語の授業の中身は日本人としてのこころ、すなわちやまとごころを涵養するような内容にすべきである。小学生低学年から和歌(特に万葉集)や俳句に親しませたらどうか。
また、中学校から習う英語の教科書の中身も、生徒にアングロサクソンの生活や文化に親しませることを主眼とするのではなくて、外国人に対して日本の伝統文化や歴史を英語で説明することを目的とするような内容にすべきではないか。
ところで、よく外国人に対して日本のことを悪く言う、「反日」日本人がいるが、この種の人間は外国のまっとうな人間からは決して尊敬されない。それどころか軽蔑される。逆に、外国人に対して日本の伝統文化や歴史について誇りを持ってきちんと説明できる人間は尊敬される。
最近ふと小学校の体育の授業も抜本的に変えたらと思った。人に会っても挨拶しないようなあまりにも礼儀作法に欠ける非常識な子供たちが(ごくたまに大人にもいるが)増えてきている。道徳教育が不十分であることにもよろう。幼少時からきちんと礼儀作法をたたき込まなくてはならない。
そこで、小学校一年生くらいから体育の授業に武道を教えたらどうだろうか。○○道というと、武道、華道、茶道等あるが、どれも礼に始まり礼に終わり、礼儀作法の「形や型」を重んじる。武道には、合気道、柔道、空手道、剣道、弓道等あるが、どれも健全な肉体だけでなく、健全な精神の修養にもなる。まさに一石二鳥である。
私は小学校一年生から四年生までドイツの小学校で過ごしたので日本に戻ってからもサッカーばかりやっていた。その点武道のたしなみがあまりなく、今では残念に思っている。サッカー、野球、水泳、バレーボール、バスケットボールの球技や陸上競技等ももちろん結構であるが、それとは別に、小さい頃から専門の師範を通じて武術のみならず武道の精神を子供たちに教えようではないか。そうすれば、自然と礼儀作法も身につく。体育の授業がそのまま道徳の授業にもなる。
外国に滞在した時、日本の武道のたしなみがあると本当にまわりから尊敬される。そういう日本人が何人かいたが、そうでない私は本当に彼らがうらやまかった。東洋人をばかにしているような白人であっても、柔道のブラック・ベルト(=黒帯、有段者)を持っているぞとさりげなくいうと、ころっと態度が変わる。ちょっと相手の倒し方を教えてくれないかと言ってきたりするそうだ。私はドイツ滞在中ドイツ人なみにサッカーが出来たが、全く尊敬されなかった。当たり前と言えば当たり前か。しかし、武道やお華やお茶なんか結構いいかげんであっても多少の心得があれば欧米人から尊敬される。とても教えられないようなレベルであっても、カルチャーセンターの講師になってくれと言われたりして、困ったりするケースもあるそうである。
昨今教育基本法を改正して「愛国心」をどうするこうすると議論しているようだが、その前にやるべきことは教育現場の実態を踏まえて子供たちをまっとうな人間、まっとうな日本人に育てていくことである。小学生の頃から武道に親しみ、国語でやまとごころを学び、社会科の授業を通じて自国の歴史と伝統・文化に誇りを持ち、中学生になって外国人に対して日本のことを多少英語で話せるようになれば、教育基本法にわざわざ「愛国心」を入れなくても良いし、国旗国歌法の必要もなかろう。
子供たちの将来のため、日本の将来のため、毎週一こまでも良いので武道を必修科目にすべきである。
5月20日(土)