衆議院議員 静岡県第7選挙区城内 実

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◎ 政 治 ◎ 会期末解散

2012.09.07 ピックアップ

 7日は事実上の会期末である。一時はすわ会期内の解散も、と騒がれたが、いまやほとんどのマスコミはじめ世間一般では今国会内の解散はないということになっている。
 しかし、本当にそうなのか。私は先週来、その可能性がまだあると思ってきた。実際どうなるかはともかくとして、以下のように状況と条件は十分に揃っている。
 第一に、次期総選挙における与党民主党の獲得議席である。週刊誌等でいろんな議席数予想が出ているが、民主党は今すぐ解散したとして120程度、11月選挙で70程度、来年になったりすれば、30~20くらいしか議席を得られないのではないか。その根拠は言うまでもなく大阪維新の会の存在である。維新の会は、来週にも結党を迎えるらしいが、民主党がこの勢いを最小限に抑えられるのは今しかないであろう。解散を先延ばしにすればするほど、選挙基盤が脆弱な、しかし、将来有望な若手(何人いるかは知らないが)がすべて討ち死にしてしまうのは目に見えている。そのような事態を、党代表で、グループの領袖でもある野田総理が放置するだろうか。
 第二に、民主党内の事情がある。自民党での「谷垣おろし」以上に、与党民主党の代表で現職総理である「野田おろし」が盛んである。奇しくも同名のアメリカ民主党がオバマ氏と一蓮托生で大統領選を戦っているなかでわが国民主党の異常さは際立つが、野田総理ご自身の内心たるや想像に難くない。ともかく、現下の状況で、この閉塞感あふれる日本の政治に活路を見出すいちばん手っ取り早いのは、即解散をうって党代表選自体を吹き飛ばしてしまうことである。もっとも、そうなれば自民党総裁選も同時に吹っ飛んでしまうが。
 第三に、これがいちばん重要なことかもしれないが、野田総理が先月の党首会談での「近いうち」という約束を、最低限の人の道としての信義を守って当たり前に履行することだ。
 総理にとって解散権は専権事項、まさに「伝家の宝刀」である。しかしその刀も、時がたてばたつほど抜きにくくなる。そもそも代表選で負ければ、刀自体が取り上げられてしまう。
 麻生政権の解散引き延ばしによる自民党惨敗という直近の歴史を、野田総理はどれだけ他山の石としているだろうか。仮に私が野田総理の立場にあれば、ここで電光石火解散をうち、選挙後の大連立、政界再編、あるいは保守合同に向けて主導権をとろうとするだろう。
 いずれにしても、明7日午前中に再び野田、谷垣の党首会談が行われ、緊急閣議を経て、急ぎ陛下の御名御璽を賜り、午後に衆議院解散をしてAPECに向けてウラジオストクに旅立つ…こんなシナリオが十分ありうるのではないだろうか。私はその可能性はまだあると思っている。
  
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