◎ 政 治 ◎ 尖閣問題に断固かつ「淡々」と対処せよ
本18日朝、中国の漁業監視船1隻が尖閣周辺のわが国接続水域に入った。これに先立ち、中国の海洋監視船が尖閣諸島周辺の日本領海に侵入した。その数6隻。6隻もの公船が領海侵犯するなど、かつてない異常事態である。
さらに中国公船は、日本語で「釣魚島は中国の領土で、本船は正当業務を執行中だ。直ちにこの海域から離れてください」などと逆に警告してきている。中国は、すでに国連などで領有権を主張するロビイ活動をはじめている。無法で許しがたい、しかし、したたかだ。
これに対してわが方はどうか。駐日日本大使を外務省に呼んで抗議したが、まったく不十分である。お手盛りのマニュアル外交だ。
さらに政府の国有化方針である。国有化には私も賛成だ。むしろ遅すぎたくらいである。しかし、野田政権は灯台や船だまり等の施設はもちろんのこと、安倍晋三先生のおっしゃるような公務員常駐等の有効手段は一切とらないとのことである。
野田政権の国有化の目的とは、とどのつまり中国側への配慮(=問題凍結、先送り)なのである。民主党政権3年間のこういった周辺諸国への配慮外交が何をもたらしたか、いまだに民主党は反省がないようだ(もちろん自民党時代の弱腰外交も反省すべきことは言うまでもない。)。 すでに1000隻もの中国漁船団が出向し、香港の民間団体も再度の上陸予告をしてきている。こうした配慮外交は、有効どころか、もはや有害である。
他方、中国国内では反日デモが拡大し、日本人が暴行を受けるなどの事態も生じている。これも民主党政権の事なかれ主義、無為無策が結果的に招いたことだと言えないか。反日デモにより日系企業等に多大な被害が出ていることについて、中国外務省高官は「その責任は日本が負うべきだ」とまで言い放った。よくぞ言ってくれたものだ。本当に勇気ある発言だ。敵(国?)ながらあっぱれだ。もちろん、こうした放言を放置しては絶対にならない。
中国ごとき非民主、前近代的共産国家の低レベルの挑発に簡単に乗ってはならないが、売られたけんかは淡々黙々と買ってやろうではないか。
わが国は、中国首脳に即刻、そして直接に、わが方の断固たる意思を「淡々と」示さなければならない。わぁーわぁーぎゃーぎゃー大騒ぎするのはチンピラのすることだ。中国の貴族的な支配階級(=中国共産党)が一番いやがることを、一番困ることを静かに着実に、したたかに第三者を使って実行することである。日本政府関係者は、もうすこし、英国人紳士やアメリカの支配層である金融資本の「頭の良い」ひとたちの爪の垢を煎じて飲んでほしいものだ。
なお、日中関係がこうした緊張関係にあって、わが国の総理が安倍晋三先生ではないのが大変残念である。何よりもこのような緊急事態において必要なのは、経験と実績である。拉致問題の実績大変なものだ(北朝鮮にだまされたふりをして、拉致被害者を奪還したしたたかさ)。
今安倍晋三総理だったら…そう思わずにはいられない。一日も早くその状況を実現せねばならない。