衆議院議員 静岡県第7選挙区城内 実

活動報告及びお知らせ
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◎ 政 治 ◎ 対中外交の要諦とは

2012.09.20 ピックアップ

 今朝までに、中国公船16隻がわが国領海に隣接する接続水域に入り、このうち3隻は領海を侵犯した。これに対し、わが国海上保安庁は現有巡視船の半数近い50隻をすでに現場海域に投入している。海保の皆さんの職務遂行の成功と安全を祈念する。
 一方、中国各地では一昨日柳条湖事件発生の日であったこともあり、反日デモが多数行われた。中国当局は暴徒化への制圧姿勢を強めてはいるというが、一部情報には、警察官が私服でデモに紛れ込んでデモの指揮をとっているという話もあり、信用はできない。邦人の身の安全の確保を徹底しなければならない。これは本来、当然中国当局の役目だが、先方が「日本の責任である」という無法なことを言っている以上、わが国政府がしっかりと守らなければならない。
 それにしても、あいかわらずわが国政府の動きは後手後手で、またお手盛りに過ぎる。外交の要諦は、相手の立場に立つということである。しかし、相手の立場に立って相手の喜ぶことをするだけが外交ではない。少なくとも中国は、わが国が紳士的なのをいいことに、政府への不満のはけ口に反日をことさらに煽っているのである。
 ここはわが国も、中国の「嫌がる・困る」ことをするべきである。中国の「嫌がる・困る」こととはなにか。以下の三点であろう。
  
 第一に、中国は経済、特に雇用の面で日本企業に依存している。その意味でも中国は日本企業と従業員である邦人の安全には責任があるが、上述の通りこれを当局が放棄した以上、わが国政府は今後、日本企業の中国への新規進出については抑制を働きかけるべきである。また、店舗の営業、工場等の操業が妨げられていることから、今後経済的損害がかなりのものになると予想される。わが国政府は、こうした企業、法人に補助金を出しながら中国からの撤退を進めさせ、中国に見切りをつけ、ベトナムはじめ東南アジア諸国へのリスク分散を行っていくべきである。
 
 第二に、中国国内での人権問題への追及である。私もたびたび国会で警鐘を鳴らしてきたが、中国国内ではチベット、ウイグルに住む方々、そして法輪功等の団体に対し、きわめてひどい人権侵害を行っている。人権は国境を越えた基本的で普遍的な価値である。中国の人権状況について、多国間(マルチ)、二国間(バイ)を問わず国際社会のあらゆる場面で徹底的に追及をしていくべきである。
 
 第三に、いまだに行われている中国への経済援助を凍結することだ。中国への政府開発援助はこれまで総額3兆円以上行われ、現在も有償資金協力および技術協力の名目で43億円の援助が行われている。自国のGDPを超える国に経済援助を行うなど、どう考えてもおかしいが、期限がまだ先のためまだ行われている。丹羽大使に至っては、対中援助を増額するよう具申したと伝えられるが、わが国はこれを即刻凍結すべきである。
 
 これ以外にも、中国製品の輸入規制や、中国への輸出規制等経済関係の規制強化、中国が得意とする海賊版CDやDVDといった知的財産権侵害問題を大々的にとりあげる等のさまざまな対抗措置を検討することも必要だろう。
 いずれにしても、わが国は毅然とした姿勢を、より具体的な政策を通じて、淡々粛々と事態に対処していくべきである。