☆お知らせ☆ 「日本の正道」(平沼赳夫他、PHP研究所)再び
以前「日本の正道」(平沼赳夫+正しい日本を創る会、平成19年7月、PHP研究所)を書籍紹介でとりあげましたが、この中に私が書いた文章が巻末にあります。この機会にブログの読者のみなさまに拙文をご紹介します。
「祖国日本よ、よみがえれ!」(前衆議院議員・拓殖大学客員教授 城内実)
いまだに「改革、かいかく、カイカク」と、耳にたこができるくらい新聞・雑誌、テレビの報道番組等で「カイカク」という言葉が氾濫している。この「カイカク」という言葉がいまやとても陳腐でうさんくさく耳に響くのは、私だけではあるまい。
いわゆる構造改革路線の下で、道路公団民営化、郵政民営化、医療改革、司法改革等が進められているが、「国民のための改革」ではなくて、「改革のためのカイカク」、「外国資本のためのカイカク」である気がしてならない。
関岡英之氏が常々指摘されているように、日本の構造改革路線はアメリカによって毎年つきつけられている『年次改革要望書』の影響を大きく受けている。これでは、国民を幸せにするための改革ではなくて、アメリカの業界のための「カイカク(=改悪)」ではないのか。それにまんまと日本の一部の官僚と外国資本の手先となった政治家たちが荷担している。悲劇的というよりも喜劇的状況である。
欧州諸国はその点、極めて健全であり、グローバリズムと称するアメリカ主導の、自国に都合の良いカイカク路線には与しない。それどころか、アメリカに対抗すべくスクラムを組んで欧州連合を立ち上げ、(英国は別であるが)、なんとユーロという新たな基軸通貨まで作り上げた。あっぱれである。
私は、アメリカが日本にとって最も重要なパートナーであると認識している点では人後に落ちないと思っている。
しかしながら、アメリカと日本は建国の精神や国柄が全く異なる。むしろ、「パワー」、「マネー」、「軍事力」といった二十世紀型の物質文明にいまだにどっぷりと使っているという点で、中国こそがアメリカとイデオロギーを越えて同類だと言えよう。
本来、真正保守の陣営がめざすべきは、日本の伝統と文化を「保守」することであり、これは単に文化財を保存するといった形式的なことではなく、日本人の精神性、例えば武士道とか大和魂の真髄を我々の子々孫々に教育を通じて伝承していくことである。
モノ、カネ中心の二十世紀型物質文明から、二十一世紀は、心、たましい、健康、人と人との信頼関係、家族愛、郷土愛、世界人類の平和、地球環境といった目に見えないもの、単純に「市場価格」で表示できないものこそ大切にする時代である。
日本はもともと農耕民族であり、お互いが助け合い、信頼し合い、天地八百万の神々に収穫の祈りを捧げて来た民族である。共存共栄や「和の精神」を旨としてきた。その日本民族の中枢にあるのが万世一系の皇室である。
だからこそ、日本はアメリカではなくて、むしろ地域共同体を大切に保守している欧州諸国を見習うとともに、「和の精神」を全世界に広めるという、本来の日本の使命に目覚めなければならない。
吉田松蔭先生の名言に「かくすればかくなるものと知りながら、やむにやまれぬ大和魂」があり、西郷隆盛先生は「命ちもいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也。此の仕抹に困る人ならでは、艱難を共にして國家の大業を成し得られぬなり。」と喝破された。吉田松蔭先生、西郷南洲翁にはとても及ばないが、これからもぶれずに不肖城内実は国家国民のために信念を貫いて参りたい。
「正しい日本を創る会」に、私のような者を参加させてくださった平沼赳夫先生に改めて深く感謝申し上げるとともに、平沼赳夫先生が皇室のいやさかと神国日本の繁栄、世界人類の平和のためにますますご活躍されることを、心よりお祈り申し上げる。