鳩山由紀夫元総理が香港のテレビ局の取材に対し、沖縄県の尖閣諸島について、「中国側から見れば（日本が）盗んだと思われても仕方がない」と述べ、国際法的にも歴史的にもわが国固有の領土の尖閣諸島があたかも領土問題がある係争地であるかのような認識を突如示した。
　かつて、「日本列島は日本人だけのものではない！」という中国も韓国もびっくりするような友愛精神に満ちたすばらしいご発言をされた方であり、また、中国の抗日記念館の歴史認識にご賛同されたお方なのでいまさら驚かないが、それにしてもなぜこのタイミングなのか。よくわからない。一番迷惑しているのが、かつて鳩山総理が所属していた民主党ではないか。ご自身がつくられた民主党を離党しての発言であるだけに、あえて安倍自民党を利するようないやがらせを「裏切られた」民主党にしたのであろうか。
　それにしても、民主党の岡田外相の下で、何でもかんでもイオングループよろしく外交予算の大幅削減されたことを反省して、安倍政権の岸田外務大臣の下で少しでも外交予算を増やして、国際世論に対して（中国なみとはいかないが）、尖閣、竹島、北方領土についてもっと広報活動を行うなど政府が積極的に取り組みを進めようとしているさなか、すべてをぶちこわすような発言をするとは。
　本当に謎である。