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◎ 政 治 ◎ チベット騒乱と北京五輪ボイコット

2008.03.18 ピックアップ

 このブログの読者のみなさんに、まあ次の記事を読んでいただきたい。
 高村正彦外相は18日午前の記者会見で、中国・チベット自治区の騒乱事件を理由に日本が今夏の北京五輪をボイコットする可能性について「ない。北京五輪は成功裏にやってもらいたいと日本政府は考えている」と否定した。また、中国側がこの問題での国際調査団の受け入れを事実上拒否していることに関し、高村氏は「なるべくオープンにして中国側の言う通り『中国は乱暴なことはしていない』と国際社会が分かるようにした方がいい」と注文をつけた。(高村外相「五輪ボイコットせず」 3月18日11時14分配信 産経新聞)
 私はこれを読んでどこの国の外務大臣の発言かと目をうたがった。日本はいったい独立国なのか、それともまだ中華帝国に対して朝貢を続ける属国なのか分からなくなった。
 現にみなさんがこのブログを読んでいる瞬間になんの罪もない善良なるチベットの国民が弾圧を受け、虐殺されているのである。それを、国際調査団の受け入れに対して、まるではれ物にさわるように、「なるべくオープンにして」とか、中国大本営当局発表のとおり「『中国は乱暴なことはしていない』と国際社会が分かるようにした方がいい」とはなにか。
 そうではないだろう。私が外務大臣であったら、「今回の中国のチベットに対する人権無視の乱暴な行為や虐殺を即時中止せよ。被害者に謝れ。さもなければ北京五輪をボイコットする。ついでに、事態が改善されるまで中国産の農産物や加工品の輸入を禁止する。」と申し入れる。
 そんなことを言ったら中国から「内政干渉」と言われるのは百も承知である。しかし、国際法上、「人権問題」については、内政干渉と突っぱねることはできない。人権擁護法案推進派の方々はまずは、中国に対して人権擁護法案を採用するよう、おすすめしてみてはどうだろうか。 
 平和ボケの日本国民にとって今回のチベット騒乱は良い教訓となるだろう。
 それにしても、かつてモスクワ五輪をボイコットした日本政府が、よもや中国に弱腰でアメリカが参加するからという理由だけで北京五輪をボイコットしないなんてことはあるまい。さもなければダブルスタンダードとのそしりをまぬがれない。
参考:「喜八ログ・中国政府に抗議する」、「西村幸祐・酔夢ing Voice