◇ コ ラ ム ◇ 戦前のドイツ映画
2008.03.26
コラム
私が子供の頃から約10年過ごした第二の故郷ドイツを離れてから約10年近くたつ。私が外務省に入省した平成元年(1989年)の暮れにベルリンの壁が崩れた。ドイツのアウグスブルク大学に留学した1990年に東西ドイツが統一した。それから約18年たった。昔がなつかしい。
ちょうどドイツに留学していた頃にドイツの戦前の映画と映画音楽を聴く機会があった。戦前の日本でも一世を風靡したドイツUFA社の映画「ガソリン三人男(=Die Drei von der Tankstelle)」の主題歌が懐かしい。当時のドイツの銀幕のスターであるヴィリー・フリッチュとリリアン・ハーヴェイの恋物語は本当にほのぼのとして良い。
三人男の一人の失恋役の男優が私がこよなく愛し、つい数年前まで存命であった、ドイツ映画界の名優中の名優のハインツ・リューマン(Heinz Ruemann)であった。
戦前のドイツ映画は本当に夢と希望があふれていて良かった。「ヒトラーユーゲント・クヴェックス」のような国策映画も結構あったが、ハンス・アルバース、ツァラ・レアンダー、ヨハンネス・へースタース、マリカ・ロックのような大スターが銀幕をかけめぐったのであった。日本人のわれわれも戦前の歴史を学ぶ上でも必見の映画である。
「新・へっぽこ時事放談」