シリア制裁決議案否決
2017.03.02
政治
2月28日、国連の安全保障理事会にてシリアのアサド政権及び過激派組織いわゆる「イスラム国」が化学兵器を使用していたことに対し非難したうえで、化学兵器の製造に関与した個人及び企業の資産を凍結するなどの内容を盛り込んだ制裁決議案が採決にかけられました。しかしながら、常任理事国である中国及びロシアが拒否権を行使したことから、決議案は否決されました。
今回のロシア及び中国の拒否権について、制裁は逆効果であり、シリアの内戦の終結を目指す平和協議に集中すべきであるとの考え方を示しております。
シリアにおいては平成23年以降の中東の権力の空白化と民主化が結びついた「アラブの春」により発生した反体制派との衝突が継続しており、平成25年にはシリアの首都ダマスカス郊外で化学兵器が使用され多数の市民が死亡するなどの事例が発生しました。
化学兵器使用を含むテロ等を未然に防ぐためには、各国が協力し国際法に基づいた処置をしていくことが大切であり、ひいてはシリアを始め中東周辺の政治的混乱を解決することに繋がります。