モスル庁舎の奪還について
2017.03.09
政治
イラク政府軍がモスル行政庁舎や裁判所を、過激派組織いわゆる「イスラム国」か
ら奪還したと国営メディアなどが報じています。
イラクの第二の首都であるモスルの治安が回復傾向であることは、中東情勢の更な
る安定化に繋がります。
モスルが陥落したのは2014年6月10日のことで、その後、同年6月29日指導者のア
ブ・バクル・アル=バグダディがカリフ就任などを宣言しました。また、2015年1月
には邦人が誘拐され、動画投稿サイトを通して我が国に対して身代金を要求するなど
の事案が発生し、鮮明な記憶として残っております。
カリフ制国家の樹立を目指すいわゆる「イスラム国」は、「アラブの春」にて生じ
た中東の権力の空白化に乗じ、シャリーア(イスラム法)及びグローバル・ジハード
(暴力的手段による国家樹立を目指す思想)主義に基づき領域支配をしておりました
が、近年の諸外国の協力により、勢力は徐々に衰退傾向であります。
我が国においては、来たる19年ラグビーワールドカップや20年の東京オリンピッ
ク・パラリンピック競技大会などを控えており、国民の平和及び生命の安全のため、
万全なテロ対策が急務であります。我が国政府は、国際条約との整合性をとり、未然
にテロを防ぐため、しっかりとした法整備が肝要であります。