英国政府は、29日、欧州連合（EU）からの離脱を正式通告しました。英国は、欧州連合の基本条約を修正する条約であるリスボン条約50条を発動し、今後、欧州連合（EU）との関係枠組みを定めるため、原則2年間の交渉を行う予定です。

　EUは発足時の６カ国から現在は28カ国と増加しておりました。大戦期以降、欧州の経済的統合を理念とし発足したという歴史的経緯を鑑みると、メイ英国首相が「歴史的瞬間」と述べるように、今回の通告は大いなる英断であることが伺えます。

　2015年度名目GDPランキングでは米国に次いで欧州連合が割合を占めており、中国が追随する構図でありましたが、英国が離脱を行えば、EU内の経済情勢は大きく変化します。

　我が国においては、4月3日から5日にかけて東京にて日・EU経済連携協定交渉が開催される予定でありますので、引き続きヨーロッパ全体の動きを注視し、潜在的経済需要を創出できるよう大局的に交渉し欧州諸国との関係維持・強化に努めてゆくことが大切です。