収賄や横領などの容疑で3月31日、パク・クネ前韓国大統領が逮捕され、韓国国内情勢は混沌としております。

 当該疑惑は2016年10月、パク・クネ前大統領の親友とされる崔順実（チェスンシル）氏との癒着により情報漏洩や贈収賄の指摘がされたことが発端となりました。これがきっかけとなり、職権乱用、強要、詐欺などの罪に問われることとなりました。 

 韓国においては、金銭的疑惑などにより国内情勢が一転することが時折あり、ノムヒョン元大統領の収賄容疑や、次期大統領候補でありました、潘基文（パンギムン）元国連事務総長の金銭的疑惑は記憶に新しいことと思います。

 パク・クネ前大統領は、韓国史上初の女性大統領に就任し韓国国民から期待されておりましたが、2014年のセウォル号沈没事故後の対処や発言により支持率が大きく低下することとなりました。2016年冬の世論調査によれば史上最低の5%を記録し、韓国国民の不平不満が募り、現在に至ります。

地政学的・経済的側面から、韓国は我が国にとって、政策判断を行う上で重要な地域でありますから、情勢を注視することが大切です。また、新政権発足以降も、未だ解決されていない歴史認識などを含む諸問題に対し、引き続き戦略的に交渉してまいります。