中東情勢について
2017.04.10
政治
内戦が続くシリアにて、6日、地中海の米国海軍艦船からシリア・ホムスのシャイラート空軍基地に対し、 巡航ミサイル「トマホーク」59発を発射しました。 米国による今回の行為は、4日シリア・イドリブにて発生した空爆の際に、
化学兵器使用が示唆されたことへの対抗措置であるとのことです。 今回の米国による対抗措置について、アサド政権を支持しているロシア側は「容認できない」としており、
米露の対立構造が伺えます。現在、シリアでは宗教対立が激化している状態であります。
いわゆる「アラブの春」にて生じた暴動と権力の空白化に乗じグローバル・ジハード主義により領域支配を行う、
いわゆる「イスラーム国」が出現し、また、ロシア側が支持るアサド政権(シーア派)と
米国が支持する反体制派(スンナ派)とが対立する複雑な構造となっており、未だ混乱は終息しない状態であります。
化学兵器の使用は国際法上禁止されており、今回の化学兵器の使用による犠牲は極めて非人道的であります。
安倍総理は、化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米国政府の決意を支持しております。
今後も、中東情勢を注視しつつ、大量破壊兵器による犠牲がでないよう国際社会と緊密に連携することが肝要であります。