司法試験の合格発表
2017.09.20
政治
12日、法務省は、今年の司法試験合格者を発表しました(合格者は1543人、合格率25.86%)。
現在の司法試験は原則として法科大学院を修了した人しか受験できません。大学院に通うには経済的・時間的負担が伴います。そこで、 経済的事情等により大学院に進むのが難しい方のために用意された制度が予備試験です。予備試験においては、法科大学院を修了した者と同じだけの能力があるか否かが判定されることになっています。
しかし、現状をみると、予備試験ルートの方の司法試験合格率は72.50%と、どこの法科大学院よりも高いものとなっており、合格率トップの京都大学法科大学院の50%をも大きく引き離しています。制度上は同じ能力のはずであるにもかかわらず、ここまで合格率に差が生ずるのは、予備試験を厳しくし過ぎているのか、法科大学院の修了認定が緩すぎるのか、いずれかではないでしょうか。
さて、昨日は、皇太子ご夫妻もご出席の中、国際法律家団体「ローエイシア」東京大会の開会式が行われ、「法の支配」の確立に向け、各国の司法制度等について議論がなされています。「法の支配」の担い手として、経済的事情にかかわりなく、優秀で志のある人材を司法の世界に確保することが、国家国民の利益に繋がるものと考えております。
今年度の司法修習生からは、私も実現に取り組んできた修習給付金の支給が開始され、修習期間中の経済的負担が軽減されますが、今後とも在るべき法曹養成制度について検討を続けてまいります。